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「蒼文~犀崎堂~」かもしれない。
観月5
いったい何がどうなっているのか、もう私にはわけがわからなかった。
胸は今にも破裂しそうなほどドキドキ鳴りつづけているし、頭の中も真っ白で何も考えることなんてできない。
わかっているのはただ、笹原くんが私にキスしてくれたいうことだけだ。何度かついばむように唇を重ねたあと、私の中に彼が入ってきたということだけだ。
サラサラとした唾液が私の口に流れ込んでくる。暖かな舌が私の舌をそっと包んでくれている。
とても優しくて、とても深いキス。思考がとろけ、心がとろけ、体も熱くとろけてしまう。
笹原くんはとっても優しいのに、こんなに優しいキスをしてくれるのに……。
私はそれを、どうしようもなくエッチなキスだと感じてしまう。優しくてエッチなキスに心の底まで痺れてしまって、体中がとろけてしまって、あそこから熱い液をあふれ出させてしまう。
たぶん、もう、私のあそこはぐちゅぐちゅで、いつ下着からエッチな液が太股に伝わってもおかしくはない。
そんなことにならないように、笹原くんにエッチな女の子だと思われないように、トイレにむかったはずなのに、どうしてこんな事になってしまったんだろう?
頭じゃわかっているはずなのに、これ以上エッチになっちゃいけないのに、私の心も体も何もかもが、私の言うことなんかぜんぜん訊いてくれない。訊きたくないって言っている。
私が少しでも拒否すれば、たぶん笹原くんはすぐにでもキスをやめてくれるのだろう。それくらいのこと、普段の彼の態度を見ていればわかる。彼は私のことを、とても大事に思ってくれている。
それに私にしたって、自分のことは大事にするべきだと思ってきた。軽々しくキスやエッチなんかをするような軽い子になっちゃいけないと思ってきた。
でも……。
実際、彼にキスされてしまった今、そんな教科書じみた考えは机上の空論にさえならない。笹原くんの蕩けるように優しいキスを、拒否することなんてできるわけがない。
私は彼のことが大好きで、もしかすると彼も私のことを好きなのかもしれなくて。それに加えてたぶん、私は彼のくれるキスのことも大好きになってしまったのだから。
彼がチュッと舌を吸ってくれると心が溶ける。彼の舌が私の中でチロチロ動くと体が溶ける。彼のキスは優しくてとてもエッチだ。
自分の気持ちを確認すると胸の切なさが解放されて、かわりに真っ直ぐで熱い想いが全身を満たした。熱い想いはエッチな気持ちにもストレートに結びついているようで、私はこのまま彼のキスに溶けてしまいたいと思った。
口の中にたまった彼の唾液を飲んでみる。
少しずつ。少しずつ。
彼が私の中に入ってくる。彼の唾液を受け入れた私はどんどん溶けていく。彼と私が一つに混ざり合っていく。
「んふっ、んっ……」
彼が舌を小さく震わすたびに首筋で小さな快感がはじけ、私はあふれそうになる声を必死で我慢した。
水原さんだって、あそこを直接触られて声を我慢している。それなのにキスされただけで声を出すなんて、そんなの恥ずかしすぎる。
そう。水原さんは今、とてもエッチなことをしている。いつも元気でとても明るい彼女は、カーテンの影に隠れて杉本くんのものを口に含んでる。
うっすらと目を開けて覗き窓の向こうを見ると、水原さんは首を前後に動かして杉本くんの性器を唇で愛撫しているようだった。
すごい。あんなふうにするんだ……。
杉本くんを受け入れた水原さんは、とてもエッチで、とても気持ちよさそうな顔をしていた。杉本くんも水原さんの唇が気持ちいいのか、眉間に深い縦皺を刻んで快感に耐えているように見えた。
水原さんがかわいいピンクの唇をひくと、唾で濡れ光った杉本くんの大きなペニスが現れる。現れた硬い棒のようなペニスに、水原さんはチロチロと舌を絡めている。
水原さんは夢中で舌と唇を使っている。杉本くんも水原さんの髪を何度も優しく撫でている。
見ちゃいけないと思うのに、そんなのとても失礼なことだと思うのに、私の視線は二人の行為に釘付けになって離れようとしない。
私は二人の行為を見つめながら、笹原くんの舌を感じた。彼のくれる甘いキスで、エッチな二人のことを忘れさせてもらおうと思った。かわりに自分がエッチになってしまっても、不思議とそれは素敵なことのように思えた。
笹原くんはとても優しい舌使いで、私の口の中の隅々を確かめるようにキスしてくれる。唾液に濡れた粘膜を深く重ね合わせ、奥歯の裏側にまで舌を這わせてくれる。
私の舌は彼のなずがままに動く。彼の求めるままに舌を捧げ、彼の好きにしてもらう。そうすることで、私のぜんぶが彼のものになったような錯覚を覚える。
「ぅっ、ぁ、ぁっ……」
笹原くんの唇が私の舌を根本から吸い上げていく。あふれ出た唾液も、彼を大好きな私の気持ちも、みんないっしょになって吸い上げられていく。
頭の中が空っぽになる。その反対に、胸は幸せでいっぱいになる。
私は自分の舌を思い切り差し出した。そうすると彼はいっそう深いキスをくれて、私の体はどうしようもなく熱く火照ってしまう。あそこがぬかるんで、足の付け根から力が抜け落ちてしまう。
我慢できなくて彼の胸にしがみついた。そうしないと今にも床に倒れてしまいそうだった。
倒れてしまったら、彼とのキスが終わってしまう。
今の私にとって、それ以上の絶望はないと思った。
彼にすがりつきながらキスをもらう。口をいっぱいに広げ、彼を深く受け入れ、歯の一本一本を丁寧に舐めてもらう。
やがて笹原くんは、キスをしたまま片手で私の髪を撫でてくれるようになった。
まるで壊れ物を扱うようなとても繊細な動きで、彼の震える指が私の頭のてっぺんから耳元を通り、背中のほうまで流れていく。そのおずおずとした動きがとても愛しく感じられて、私は彼のことをまたずっと好きになった。
もう、このまま、死んじゃってもいい。
そう思った瞬間、私は彼に強く抱きしめられていた。
「う、んっ…………」
頭の芯が痺れ、息が止まった。
胸がいっぱいになって、私は呼吸のしかたさえ忘れてしまった。
ボレロの下の胸が彼の学生服に押しつけられている。胸が切ない。とても切なくて、苦しくて、気づいたときには私も彼に強く抱きついていた。そうすると体の奥のほうで、じんわりと熱い快感がうねりはじめた。
エッチになっていく。彼のキスで私はどんどんエッチになっていく。
ダメだと思って股間に力を入れるとかえって意識が快感に集中してしまう。自分が気持ちよくなっていることを確認すると、さらにその気持ちよさはたかまっていく。
「さ、笹原くん……私……あっ、あの……んっ」
彼の名を呼ぶことで快感の声を誤魔化すしかなかった。笹原くんは真剣な眼差しで私を見つめている。その澄んだ茶色の瞳を見ていると、胸がキュンキュンなって、やっぱり我慢できなかった。
私は唇をそっと捧げるように差し出した。笹原くんはすぐに震えるようなキスで答えてくれた。またいっそう深く唇を重ねる。お互いを思い切り貪りあい、唾液を交換する。
私の体が熱く震える。笹原くんの体も強ばって震えている。
彼も私のキスで興奮しているんだ――。
そう思ったとたん、笹原くんの手がウェストに食い込んだ。私の腰が強く彼に引き寄せられ、そうすると蕩けきったあそこの前に、固くなった彼のものが感じられた。
また息が止まった。
驚きと不思議な誇らしさに、全身が痺れるようだった。
笹原くんも興奮してるの? エッチな気持ちになっているの? 私にキスして、感じてるの?
そう考えただけで、私の膝からはついに全ての力が抜け落ちてしまった。
あそこはぐちゅぐちゅに濡れている。エッチな液は溢れて止まらない。
足が萎える。立っていられない。それでもキスをつづけると、全身が切なくて苦しくて気持ちよくて、どうしようもなくなった。
彼は興奮してあそこを堅くしている。これがたぶん「勃起」って言う状態だ。私もパンツまでべとべとに濡らして感じている。
彼が強く腰を押しつけてくる。熱い性器を私に感じさせたまま、私の舌を吸い上げる。
なんだかとても幸せで気持ちよくて、なぜだかわからないけど涙が出た。
彼の唾液を飲みこむと涙で霞んだ視界で星がはじけ、切なさに太股を強く摺り合わせると背中でゾクゾクした快感が湧き起こった。
ダメだと思った。でも、もう止まらなかった。
私はもじもじと太股を摺り合わせつづけた。そうするとあそこの切なさが満たされるようで、息が止まるほど気持ちいい。
これでもし、彼に触れられでもしたら、どうなっちゃうんだろう?
彼の綺麗な指先で、ぐちゅぐちゅのあそこを撫でられたりしたら、どうなっちゃうんだろう?
エッチな想像が次々に浮かんで消えようとしない。
下半身がドロドロにとろけて、気持ちよくて、気持ちよすぎて、背中を快感が次々に駆け抜けていって、たまらず首をすくめた。あそこに勝手に力が入って、エッチな液がトロトロと止めどなく流れ出た。
ぴったりと寄せ合ったお互いの腰のあいだで彼のものも熱く震えているようだった。私が太股を摺り合わせるとびくんびくんと震えて、その衝撃のせいで私はまた気持ちよくなった。
「ぁっ、ぁぁっ、ぁっ、ぁっ……」
合わせた唇が外れると、私は小さな声で喘いでいた。恥ずかしさに死んでしまいそうだったけれど、その声はどうしても止まらなかった。
ついに全身から力がなくなって、私は床の上に崩れ落ちそうになった。リボンが首に少し食い込んで、私はまたエッチな声を上げる。あそこがびくびく震えている。エッチな液が溢れてしまう。視界が霞んで息が止まる。
いく。いっちゃう――。
何もわからなくなって、気持ちよすぎて、私の全身は小さく痙攣していた。
笹原くんがしっかりとそんな私を支え、優しく抱きしめてくれている。胸が熱くなってすべてが真っ白に染まった。
今日の私は本当におかしい。
だって彼にキスされただけで、また私はいっちゃったんだから――。
朦朧とした意識で彼の胸に顔をうずめていると、笹原くんが心配そうな声で囁いた。
「だ、大丈夫? なんか、佐倉さんの顔見てたら我慢できなくなって……ご、ごめん。力入れすぎだよね」
私は俯いたままで首を小さく横に振った。私がこんなになったのは、なにも強く抱きしめられたのが苦しかったせいじゃないのに。
笹原くんは私の気持ちに鋭いのか鈍いのかよくわからない。
「もう、笹原くんのエッチ……」
つぶやくように答えると、今頃になって恥ずかしさが戻ってきた。
私の顔はたぶん耳の裏まで真っ赤になってしまっている。
それに、今度こそパンツの端から少なからずの液がこぼれてしまったようだった。
「ご、ごめんなさい。私、トイレ行かなきゃ」
慌てて立ち上がろうとしたら足の力はまだ抜けたままで、私は思い切り尻餅をついてしまった。美術準備室にみっともない音が響きわたる。
と、隣の美術室のほうからも、バタバタという足音が聞こえた。
笹原くんと顔を見合わせる。彼は笑いを噛み殺しているようで、それにつられて私まで笑ってしまいそうだった
たぶん、杉本くんと水原さんが今の音に慌てて身繕いしているのだ。
私と笹原くんは心の中で二人にゴメンと謝り、のそのそと四つん這いで美術準備室の出口へむかった。立ち上がって普通に歩くことなんて、とてもできそうになかった。あいかわらず私の体はおかしなままで、また彼にキスされればすぐにでもいってしまいそうだった。
一度いってしまったとは言え、それはとても不確かな絶頂で、私のあそこは熱く火照ったまま元に戻る気配すらなかったのだから。
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Author:犀崎大洋
ひっそりと再始動したかも。
人畜無害なエロ小説書きです。